2018年02月20日

バラエティに富んだ?1枚『分裂唄草紙』(野坂昭如)

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あいも変わらず、最近良く聞いているのは今も野坂昭如さんの曲である。
だいぶ前だが紙ジャケ版の「分裂唄草紙」(1974年発売)も中古で手に入れた。
定価より高かったけど……。

これについては詳しく書きたいが手短に書く。
いつもの桜井順氏の曲以外にも、複数の作家の曲が収録されている。

結局はどの曲も野坂節になるわけだが、
桜井氏の曲と他の人の曲ではだいぶ歌い方が異なる印象だ。
曲調の違いもあるかもしれないが。
なお、同じエレックだからか、海援隊の曲(「スケッチ」)や泉谷しげるの曲(「うられうられて」)もカバーしている。

野坂氏の歌い方の違いだが、桜井氏の曲だと結構色をつけて歌っている感じがする。
演じているというのでもないが、おどけてみたり、情感を込めてみたり。

一方、桜井氏以外の楽曲となると、淡々と歌っていることが多い。
それは海援隊の曲だろうが、泉谷の曲だろうが、
どことなくラテンタッチなアレンジの「酒を」だろうが、である。
(この曲のギターの音色、フレーズがまた時代を感じさせる)

ただし長唄? 小唄? 的な三味線と女性のお囃子をバックに歌う
「金地獄雀歌草紙」では、基本的には飄々と、
ここぞという部分では独特の節回しとなる(歌というより語りだろうか)。
なかなかに器用である。

他にも収録曲についてごく簡単に述べると

名曲「終末のタンゴ」
漂泊しきったような情景が浮かぶ「巡礼」
ホラーな「十人の女学生」
野坂版歌謡曲(軽さとドロドロ感)「おんじょろ節」(『野坂唄大全1』収録とは別バージョン)
野坂版正統派(?)歌謡曲な趣の「河」
無造作でぶっきらぼうが魅力の「大懺悔」
ロックというよりはブルース(ニュー・オリンズR&Bか)な「できそこないのロック」

と捨て曲無しの好盤である。

とまあ個人的には好きな1枚ではあるが、
良く言えばバラエティに富んでいる、悪く言えばまとまりがない、そんな気もする。

ところでこの『分裂唄草紙』、各曲の参加ミュージシャンが不明なのがなんとも残念である。
「巡礼」や「酒を」でエレキギターを弾いているのは誰なのか、とか
「できそこないのロック」で合いの手を入れているのは誰なのか、とかが分からないのだ。

そしてもうひとつ残念な点といえば、
現在CDは廃盤で入手困難ということだ。
(だから定価より高い値段で買う羽目になったのだが……)

というわけで、もし定価より安く売っているのを見たら確保するのをおすすめする。
もちろん野坂さんの歌が好きならば、という条件付だが……。


posted by miron | Comment(0) | 野坂昭如 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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